鍼灸院の集客は、競合の増加やターゲット層の変化により難易度が高まっています。口コミや価格競争だけに頼るのではなく、オンラインとオフラインを組み合わせた戦略が欠かせません。この記事では、明日から実践できる6つの集客施策を分かりやすく解説します。
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目次
鍼灸院の集客が難しい理由と現状の課題
鍼灸業界の競合増加
- 全国的に鍼灸院の数が増加しており、競合が激化
- 施術内容が似ているため「どこを選んでも同じ」と思われやすい
- 都市部では徒歩圏内に複数院が並び、新規患者さんの獲得が困難に
競合院の増加により、価格やサービスだけでは差別化が難しくなっています。
ターゲット層の変化
- 従来:慢性的な肩こり・腰痛を抱える中高年層が中心
- 現在:美容鍼や自律神経調整を求める若年層・女性が増加
- 特徴:
- ネット検索やSNS口コミを重視
- 「比較して選ぶ」傾向が強い
従来の「紹介やリピート頼みの集客」では、新しいターゲット層に届きにくいのが課題です。
価格競争や口コミ依存
- 他院との差別化が難しく、価格競争に陥りやすい
- 特に新規開業院は「安さ」を打ち出す傾向が強い
- 結果:地域全体の価格水準が下がり、利益率が圧迫される
- 集客を口コミに依存しすぎると、月ごとの新患数が不安定になりやすい
口コミや紹介は強力な武器ですが、それだけに頼るのはリスクがあります。
鍼灸院の集客を成功させるための基本戦略
鍼灸院の経営において、安定的な集客は継続の要です。地域の競合と差別化し、患者さんに「通いたい」と思ってもらうためには、いくつかの基本戦略を押さえることが重要です。ここでは、効果的な集客のための3つの視点を解説します。
ターゲット設定とサービスの差別化
まず最初に考えるべきは「誰に来てもらいたいか」を明確にすることです。ターゲットを曖昧にしたまま広告やPRを行っても、訴求力が弱まり、集客効果は限定的になってしまいます。
- ターゲット層の明確化
- 学生や社会人、主婦、高齢者など、年齢や生活スタイルに合わせて設定
- どんな悩み(肩こり・腰痛・冷え性・美容目的など)を持っているのか整理する
- サービスの差別化
- 他院にはない施術メニュー(美容鍼・産後ケア・スポーツケアなど)
- 国家資格者による施術や、専門的な知識を活かしたアプローチ
- 予約のしやすさや営業時間の柔軟さ
ターゲットとサービスの掛け合わせで「〇〇の悩みならこの院」と想起されるポジションを築くことが大切です。
院内の体験価値を高める取り組み(接客・雰囲気・メニュー構成)
患者さんが「通い続けたい」と思う理由は、施術の効果だけではありません。院内での体験全体が、集客やリピート率に直結します。
- 接客
- 丁寧なヒアリングと説明
- 安心感を与える笑顔や声掛け
- 院内の雰囲気
- 清潔感のある空間づくり
- 落ち着いたBGMや照明でリラックスできる環境
- 季節感を意識したインテリアやアロマ
- メニュー構成
- 初回限定メニューで来院ハードルを下げる
- 継続来院しやすい回数券・会員制プラン
- 美容鍼やリラクゼーション系など、ニーズに合わせた選択肢
「施術+体験価値」をセットで高めることで、患者さんが自然と口コミや紹介をしてくれる流れにつながります。
数値管理による成果の可視化
施策を行っても、効果が出ているのか把握できなければ改善はできません。数値で管理することで、集客の流れを可視化し、次の一手を的確に打てるようになります。
- 集客関連の指標
- HPやGoogleビジネスプロフィールからの問い合わせ件数
- 新規患者さんの数とリピート率
- 広告(SNS・チラシ・リスティング)からの反応率
- 患者さん満足度の把握
- アンケートや口コミの収集
- ネット上での評判チェック
- 改善への活用
- 集客チャネルごとの効果を比較して予算を最適化
- 来院動機をヒアリングし、ターゲット施策に反映
- リピート率が低い場合は、接客やメニュー構成を再検討
「なんとなく集客できている」から「数値で把握し改善できている」へ変えることが、安定経営への第一歩です。
鍼灸院の集客に効くオンライン施策3つ
近年、鍼灸院の集客方法はチラシや口コミだけではなく、オンライン施策が重要になっています。特に Google検索やSNS、ブログ発信 は患者さんとの接点を増やし、リピート率や新規集客につながる可能性があります。ここでは、すぐに実践できる3つの施策を解説します。
Googleビジネスプロフィールで上位表示を狙う方法
Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)は、地域集客に欠かせない無料ツールです。検索結果やGoogleマップに表示されるため、新規患者さんが来院先を選ぶ重要なきっかけになります。
運用のポイント
- 正確な情報を登録する(住所・電話番号・施術時間)
- 写真を定期的に追加(外観・内観・施術風景など)
- 投稿機能でキャンペーンや健康情報を発信
- 患者さんにレビューを書いてもらう
メリット
- 「地域名+鍼灸」「肩こり 鍼灸院」などで上位表示を狙える
- 地域での認知度が上がり、予約につながりやすい
InstagramやLINE公式アカウントでリピート率を高める運用ポイント
SNSは「リピート対策」に非常に有効です。特にInstagramとLINE公式アカウントは、患者さんとのつながりを維持するのに役立ちます。
Instagram活用例
- Before→Afterの施術写真(患者さんの許可を得て掲載)
- ストーリーズで日常の発信(親近感を持ってもらえる)
- ハッシュタグで地域住民にリーチ
LINE公式アカウント活用例
- 定期的な健康情報の配信
- クーポン・ポイントカード機能を使って再来院を促す
- 予約のリマインド配信でキャンセル防止
効果
- 「一度来院した患者さんをリピーターにする」流れを作れる
- 患者さんが来院を思い出すきっかけになる
SEOブログで検索ニーズを捉えた情報発信
SEO対策として、自院のブログで検索されやすい内容を発信することも集客につながります。
記事ネタの例
- 「肩こり 鍼灸 効果は?」「腰痛 鍼灸 何回で改善?」
- 「鍼灸と整体の違い」「鍼は痛い?初めてでも安心できる施術方法」
- 季節ごとの健康法(冷え性対策、花粉症ケアなど)
運用のコツ
- 患者さんがよく質問する内容を記事にまとめる
- 専門用語は避け、誰でもわかる言葉で書く
- 週1本でも継続的に記事を更新する
メリット
- 検索から新規患者さんを獲得できる
- 「信頼できる先生」というブランディングにつながる
鍼灸院の集客を強化するオフライン施策3つ
オンライン集客が主流になっている今でも、地域に根差したオフライン施策は鍼灸院の集客に欠かせません。特に、信頼を築きやすく、地域住民の方との距離を縮めるきっかけとなります。ここでは、効果的なオフライン施策を3つ紹介します。
地域イベントや健康セミナーでのブランディング
地域のイベントやセミナーは、鍼灸院の存在を知ってもらい、信頼を築く絶好のチャンスです。
- 健康セミナーの開催
腰痛・肩こり・冷え性など、身近な悩みをテーマにしたセミナーは参加者の関心を集めやすい。 - 地域イベントへの参加
商店街のイベントや地域祭りにブースを出展し、体験施術や相談会を実施することで集客につなげる。 - 資料やパンフレット配布
鍼灸のメリットや施術例をまとめた資料を配布すると、来院のきっかけになりやすい。
地域住民と直接触れ合うことで「安心して通える鍼灸院」としてのブランドを築くことができます。
口コミ・紹介を増やすための仕組みづくり
口コミは信頼度が高く、新規集客に直結する重要な要素です。自然発生を待つだけでなく、仕組みを整えることで加速できます。
- 紹介カードの配布
「紹介した人・された人」双方に特典を用意すると紹介が活発になりやすい。 - 院内掲示での呼びかけ
「お知り合いに鍼灸院を探している方がいればぜひご紹介ください」と掲示して意識づけ。 - 口コミ特典キャンペーン
GoogleマップやSNSで口コミを書いてくれた方に割引やプレゼントを用意すると効果的かもしれません。
口コミが積み重なることで、オンライン検索時にも強い信頼材料となるでしょう。
地域密着で信頼を積み上げる方法
地域で「顔の見える鍼灸院」になることは、長期的な集客において最も重要です。
- 定期的なニュースレターやお便り
健康情報やセルフケア方法を発信することで、「あの鍼灸院は親身だ」と思ってもらえる。 - 地域活動への参加
清掃活動や地域のボランティアに参加し、地域とのつながりをアピール。 - 高齢者や子育て世帯への配慮
バリアフリー設備やキッズスペースなどを整えることで「通いやすい院」として差別化できる。
「地域に愛される存在」になることが、継続的な集客の基盤になります。
まとめ|鍼灸院の集客を継続的に改善するために大切なこと
鍼灸院の集客は、昔ながらの口コミや価格競争だけでは限界があります。これからは、ターゲットを明確にしたうえで、院内での体験価値を高め、数値を見ながら改善を重ねることが大切です。さらに、GoogleやSNSなどのオンライン施策と、地域に根ざしたオフライン施策を組み合わせることで、安定した集客につながります。小さな工夫の積み重ねが信頼を生み、長く選ばれる鍼灸院へとつながっていくでしょう。
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