接骨院開業に必要な手続きの全貌:スムーズな開業を実現するためのガイド

接骨院を開業することは、夢を実現するための大きなステップですが、そのためにはさまざまな手続きが必要です。適切な準備を整え、手続きを順を追って進めることで、スムーズな開業を実現することができます。この記事では、接骨院開業に必要な手続きについて、必要書類や進め方、注意すべきポイント、税務や会計の基本的な知識を紹介し、開業準備を効率的に進めるための方法をお伝えします。

 

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接骨院開業手続きに必要な書類とは?

接骨院の開業には、税務署や保健所、保険組合など、さまざまな機関への届け出が必要です。これらの手続きを適切に行うためには、各種書類を整えて提出することが不可欠です。ここでは、接骨院開業において準備すべき書類について、詳しく解説します。

1. 開業届出書

接骨院を開業する際に、最初に提出する必要がある書類が開業届出書です。税務署に提出するこの書類により、事業主としての登録が行われ、納税義務が発生します。

  • 提出期限: 開業から1か月以内
  • 提出先: 最寄りの税務署
  • 必要項目: 開業日、事業内容(接骨院としての業務内容)、施設の所在地、法人名や代表者名など

開業届出書を提出することで、事業者としての認定を受け、青色申告や白色申告を選択することが可能になります。青色申告を選ぶことで、税制上のメリットが期待できるでしょう。

(出典:株式会社SoLabo

2. 施術所開設届

接骨院は、医療機関ではなく施術所として開業することになるため、施術所開設届を保健所に提出する必要があります。これは、施術所が保健衛生基準を満たしているかを確認してもらうための手続きです。

  • 提出期限: 開設後10日以内に提出
  • 提出先: 地元の保健所
  • 必要項目: 施設の構造、設備の状況、施術者の資格など

施術所開設届を提出することで、保健所からの確認を得ることができ、施術所として正式に営業を開始することができます。

(出典:日本柔整鍼灸協会

3. 健康保険取扱契約書

健康保険を利用して施術を行う場合、健康保険取り扱い契約書を保険組合と結ぶ必要があります。この契約がないと、保険を利用した施術ができません。

  • 提出期限: 開業前に契約を結び、開業後に保険を利用した施術を開始
  • 提出先: 各保険組合
  • 必要項目: 取り扱う保険組合名、契約内容、施設名など

この契約を締結することで、患者が健康保険を使って施術を受けることができるようになります。

(出典:全国柔整鍼灸協同組合

4. 施術者資格証明書

接骨院を開業する際には、施術を行うために施術者資格証明書が必要です。これにより、柔道整復師としての資格を証明することが求められます。

  • 必要項目: 柔道整復師の国家資格証、資格取得証明書
  • 提出先: 保健所や税務署など

施術者資格証明書を提出することで、資格を持つ施術者がいることを証明し、正当な運営が行われることが確認されます。

(出典:日本柔整鍼灸協会

 

接骨院開業手続きをスムーズに進めるためのステップ

接骨院の開業には、計画的に進めるべき手続きがいくつかあります。しっかりとしたステップを踏むことで、トラブルを避け、スムーズに開業を実現することができるでしょう。ここでは、接骨院開業に必要な手続きを整理し、効率よく進めるためのステップを紹介します。

1. 開業計画を立てる

まず最初に行うべきことは、開業計画の立案です。計画を立てることで、どの手続きをどの順番で進めるかが明確になり、開業準備がスムーズに進むでしょう。

  • 立地の選定: 接骨院を開業する場所は非常に重要です。立地が患者にとって通いやすい場所であるか、周囲に競合が多いかなどを調査し、最適な場所を選びましょう。
  • 施設と設備の準備: 施術を行うスペース、待機場所、受付エリアなど、施設の配置や設備の整備が必要です。必要な器具や設備をあらかじめリストアップし、整備を行います。
  • 資金計画: 開業にかかる費用を見積もり、どのように資金を調達するか考えることが大切です。自己資金を使う場合、銀行融資を利用する場合など、資金調達の方法も検討します。

しっかりとした開業計画を立てることで、必要な手続きを漏れなく進められるようになるでしょう。

2. 必要な書類を準備する

開業計画ができたら、次に必要な書類を準備します。接骨院の開業にはさまざまな書類が必要ですが、これらをしっかりと整えておくことで、手続きをスムーズに進めることができます。

主な書類

  • 開業届出書: これは税務署に提出する書類で、開業を届け出るものです。開業から1ヶ月以内に提出する必要があります。
  • 施術所開設届: 保健所に提出する書類で、接骨院を施術所として開設するための届出です。施設が保健衛生基準を満たしているか確認されます。
  • 健康保険取り扱い契約書: 健康保険を利用した施術を行うためには、各保険組合との契約が必要です。
  • 施術者資格証明書: 柔道整復師など、施術を行うためには資格証が必要です。必要書類を揃えておくと、手続きが円滑に進みます。

これらの書類を事前に準備しておくことで、開業準備が順調に進み、後で慌てることなく手続きが完了するでしょう。

3. 施設の整備と認可取得

施設の整備も重要なステップの一つです。施設の準備が整い、必要な認可を取得すれば、いよいよ開業に向けての準備が整います。

施設の整備

  • レイアウトと設備: 施術スペースや受付、待合室など、施設の配置を計画的に決めます。また、施術に必要な設備や器具を整え、整然とした環境を整えることが求められます。
  • 保健所への申請: 保健所に施術所開設届を提出し、施設が保健衛生基準に適しているかを確認してもらいます。これにより、営業許可が下り、正式に施術を開始することができます。

これらの準備が整うことで、開業後に問題が発生するリスクを最小限に抑えることができるでしょう。

4. スタッフの採用と手続き

スタッフを雇用する場合は、採用活動を行い、その後必要な手続きを進めることが必要です。接骨院の運営を安定させるためには、スタッフの採用とその後の手続きが重要なポイントとなります。

スタッフ採用と手続き

  • 採用活動: 必要なスタッフ(施術スタッフや受付スタッフなど)を採用します。面接を通じて、スキルや人柄を確認し、チームに適した人材を選びましょう。
  • 社会保険・労働保険の手続き: スタッフを雇う際には、労働保険(雇用保険、労災保険)や社会保険(健康保険、厚生年金)の加入手続きを行います。これらは従業員が安心して働ける環境を整えるために必要な手続きです。

スタッフを雇う際には、事前に手続きを整えておくことで、スムーズな開業が期待できるでしょう。

5. 資金の確保と調達

接骨院の開業には、施設の整備やスタッフの雇用など、多くの費用が必要です。そのため、開業資金の調達は非常に重要です。資金計画をしっかりと立てることで、資金の不足を防ぎ、安定した運営が可能となります。

資金調達方法

  • 自己資金: 自分自身の貯金を活用する方法です。リスクを減らすことができますが、資金不足が心配な場合もあります。
  • 融資の利用: 銀行や公的機関からの融資を利用する方法です。事業計画書を提出し、審査を通過することで、必要な資金を調達できます。
  • 助成金・補助金: 地域によっては、開業に際して助成金や補助金が提供されていることがあります。これらを利用することで、負担を軽減することができるかもしれません。

資金調達方法を選ぶ際は、自己資金だけでは足りない場合に備え、事前に他の調達方法を検討しておくことが重要です。

6. 宣伝と集客活動

開業準備が整い、施設も整備されたら、いよいよ開業の告知集客活動を行いましょう。広報活動を行うことで、地域の人々に接骨院を知ってもらい、来院を促進することができます。

集客方法

  • ウェブサイトの作成: インターネットでの集客は重要です。ウェブサイトを作成し、院の情報やサービス内容を発信することで、オンラインでの集客が期待できるでしょう。
  • SNSの活用: FacebookやInstagramなど、SNSを通じて開業前から情報を発信することで、認知度を高めることができます。
  • チラシやポスター: 近隣の住民や企業に向けてチラシやポスターを配布する方法も、オフラインでの宣伝には効果的です。

宣伝活動を通じて、開業前から患者が来院することが期待できるでしょう。

 

接骨院開業手続きで注意すべきポイントと対策

接骨院を開業する際には、多くの手続きや準備が求められます。これらの手続きをしっかりと理解し、注意すべきポイントを押さえておくことで、開業後のトラブルを回避できるでしょう。ここでは、接骨院開業時に特に注意したいポイントと、それに対する対策を具体的に説明します。

1. 施設基準と保健所への申請

接骨院の開業において、施設基準をクリアすることは非常に重要です。保健所への申請手続きでは、施設の衛生状態や施術スペースなどがチェックされるため、基準を満たしていないと開業許可が下りない可能性があります。

注意点

  • 施設基準の未確認: 保健所の施設基準に合致しない場合、開業許可が得られないことがあります。特に、施術室の広さや衛生管理、換気設備などが求められます。

(出典:全国柔整鍼灸協同組合

  • 申請書類の不備: 申請書類に不備があると、許可が遅れるか、却下されることもあります。

対策

  • 事前確認と準備: 施設を整える前に、保健所の施設基準を確認しておくことが大切です。施術室の配置や清潔さ、必要な設備を整えることで、申請がスムーズに進むでしょう。
  • 書類チェックの徹底: 申請時に提出する書類に不備がないよう、提出前に慎重に確認しましょう。書類の不備がないかどうか、第三者に確認してもらうのも有効です。

施設基準をクリアし、書類が完璧であれば、保健所からスムーズに開業許可が得られるでしょう。

2. 開業届出書と税務署への手続き

開業届出書を税務署に提出することは、開業後に必要な税務処理を行うための第一歩です。この手続きを怠ると、後々税務問題が生じる可能性があります。

注意点

  • 提出期限の遅延: 開業届出書は開業から1ヶ月以内に提出する必要があります。期限を過ぎると、無申告と見なされる可能性があります。
  • 個人事業主と法人の選択: 個人事業主として開業するか、法人化するかを決定する必要があります。法人化した場合、税務面でのメリットを享受できる可能性がありますが、事業の規模に応じて選択することが重要です。

対策

  • 提出期限を守る: 事業開始日から1ヶ月以内に必ず提出することが求められます。事前に書類を準備しておけば、期限内に提出することができるでしょう。
  • 法人化の検討: 事業が拡大する見込みがある場合、法人化を選ぶことが有利な場合もあります。法人化による税制面でのメリットを事前に確認しておきましょう。

開業届出書を早めに提出し、税務署への手続きが滞りなく完了すれば、税務面での問題を防げるでしょう。

(出典:株式会社SoLabo

3. 健康保険の取り扱い

接骨院では、健康保険を取り扱う場合、健康保険組合と契約を結ばなければなりません。この契約をしっかりと結ぶことが、患者にとっても重要です。

注意点

  • 健康保険契約の未締結: 健康保険を利用した施術を行う場合、契約が結ばれていないと、保険適用が受けられません。これにより、患者に全額負担を求めることになる可能性があります。
  • 保険適用範囲の理解不足: 健康保険が適用される範囲を理解していないと、患者に誤った説明をしてしまう恐れがあります。

対策

  • 早期の契約締結: 開業前に健康保険組合との契約を結んでおきましょう。契約の手続きを早めに行うことで、スムーズに保険適用を受けられるようになります。
  • 保険適用範囲の確認: 施術における健康保険適用範囲を理解し、患者に適切な情報を提供できるようにしましょう。

健康保険を取り扱うことにより、患者の負担を減らすことができ、集客にも有利に働くでしょう。

(出典:全国柔整鍼灸協同組合

4. 従業員の雇用と労務管理

接骨院を運営するにあたり、従業員の雇用とその後の労務管理は重要なポイントです。スタッフが円滑に働ける環境を作ることは、運営の安定に繋がります。

注意点

  • 雇用契約書の不備: 雇用契約書が不十分だと、後々労働トラブルが起こることがあります。雇用条件を明確にしておくことが必要です。
  • 労働保険・社会保険の加入漏れ: 従業員を雇用する場合、労働保険や社会保険に加入する義務があります。この手続きを忘れると、後で罰則を受ける可能性があります。

対策

  • 契約書を明確に作成: 雇用契約書には、給与、勤務時間、業務内容などを詳しく記載しておきましょう。契約内容をスタッフとしっかり確認することが重要です。
  • 労働保険・社会保険への加入: 必要な保険に加入する手続きを早期に行い、従業員が安心して働けるようにしましょう。

従業員との契約をしっかり結び、必要な保険を整えることで、労務管理の面での問題を避け、円滑に運営できるでしょう。

(出典:Management Compass

5. 宣伝と集客活動のタイミング

開業前から適切に宣伝活動を行うことで、開業後の集客がスムーズに進みます。ただし、宣伝活動にはタイミングが重要です。

注意点

  • 開業前の過剰な宣伝: 開業前に過剰な宣伝を行うと、患者の期待が大きくなり、開業後にその期待に応えられないことがあります。
  • 集客活動の遅れ: 開業後に集客活動を始めるのが遅れると、初期の患者数が少なく、経営に不安を抱えることになるかもしれません。

対策

  • 開業前から少しずつ宣伝: 開業前からチラシやSNSなどで宣伝を始め、開業時には認知度を高めておくことが有効です。
  • 開業後すぐに集客活動を強化: 開業後には集客活動を本格的に開始し、患者数の確保に努めましょう。

宣伝活動と集客活動をタイミングよく行うことで、開業後の順調なスタートを切ることができるでしょう。

 

接骨院開業手続きにおける税務・会計の基礎知識

接骨院を開業する際、税務や会計に関する基本的な知識を身につけておくことはとても重要です。税務面でのミスや誤解が後々のトラブルにつながることもあるため、しっかりと理解しておくことが求められるでしょう。ここでは、接骨院開業に際して知っておくべき税務や会計の基礎について解説します。

1. 開業届出書の提出と税務署への届出

接骨院を開業した場合、まず最初に税務署へ「開業届出書」を提出する必要があります。これにより、税務署は事業主としてあなたの情報を登録し、適切な税務処理が行われることになります。

開業届出書の提出時期

  • 開業届出書は開業後、1ヶ月以内に提出する必要があります。この期限を過ぎると、無申告と見なされる可能性があるため、注意が必要です。

必要な書類

  • 開業届出書: 開業の事実を税務署に届け出るための書類です。
  • 青色申告承認申請書: 青色申告を希望する場合、事前に税務署に申請する必要があります。
  • 個人事業主の確定申告書: 確定申告を行うために必要な書類です。

これらの書類は、期限内に提出することでスムーズに手続きが進み、後々の税務署とのやり取りも安心して行えるでしょう。

(出典:全国柔整鍼灸協同組合

2. 青色申告と白色申告の選択肢

開業時に、青色申告か白色申告のどちらを選ぶかは重要な決定です。どちらを選択するかによって税制上の扱いや手続きが異なるため、メリットとデメリットを理解しておくことが求められます。

青色申告

  • メリット: 青色申告を選択することで、最大65万円の控除を受けることができるなど、税金面で有利な特典が得られる場合があります。事業が赤字であれば、翌年の黒字と相殺する「繰越控除」の適用も受けられることが期待できます。
  • デメリット: 青色申告には帳簿の整備や記帳が必要になるため、手間がかかることがあります。しかし、記帳を正確に行うことで後々の税務処理が楽になるでしょう。

白色申告

  • メリット: 白色申告は、青色申告よりも手続きが簡便で、帳簿の記帳に関しては比較的負担が少ないといえるでしょう。
  • デメリット: 青色申告に比べて税制上の控除が少ないため、節税面でのメリットは限定的です。

開業者の多くは青色申告を選択しますが、帳簿管理が難しいと感じる場合は、白色申告を選ぶ選択肢もあるかもしれません。

(出典:全国柔整鍼灸協同組合

3. 必要な税金と納税

接骨院を開業すると、さまざまな税金を納める必要があります。税金の種類には、所得税、消費税、法人税などがあります。事業を運営していく上で、これらの税金を適切に把握し、納税の準備を進めることが求められます。

所得税

個人事業主の場合、所得税は年収に基づいて課税されます。所得税は累進課税制度に基づいており、年収が増えるほど税率が上がります。

  • 所得税の計算: 収入から必要経費を差し引いた金額に対して課税されます。青色申告を行っている場合は、特別控除などの特典を活用できることが期待できます。

消費税

消費税は、事業の売上に対して課税されるものです。年間売上が1,000万円を超える場合、消費税の納税義務が生じます。

  • 消費税の計算: 売上に含まれる消費税額を計算し、納税します。売上が1,000万円未満であれば、免税事業者として消費税の納税義務がないこともあります。

法人税(法人化した場合)

法人として接骨院を開業する場合、法人税が課せられます。法人税は法人の所得に基づいて課税されるため、法人化した場合には法人税の申告が必要となります。

  • 税率: 法人税の税率は企業の規模や所得によって異なります。小規模法人の場合、税額を軽減できる措置を受けられることがあるかもしれません。

住民税・事業税

住民税や事業税も地方自治体に納める税金です。これらは事業規模に応じて課税されるため、事業の規模が大きくなるほど税額も増加するでしょう。

(出典:全国統合医療協会

4. 税理士への相談

税理士に相談することも、接骨院開業における税務面での負担を軽減する方法のひとつです。税理士は、税務申告や節税対策について助言を提供してくれる専門家です。

税理士を雇うメリット

  • 税務申告の代行: 税理士に依頼することで、確定申告や青色申告の手続きをスムーズに進めることができるでしょう。
  • 節税対策: 税理士は、合法的な方法で税金を軽減できるアドバイスを行い、開業者がより効率的に税務を管理できるようサポートしてくれます。

税理士への依頼は一定の費用がかかりますが、その分、税務処理の正確さや効率性が向上し、事業運営が安定する可能性が高くなるでしょう。

 

接骨院開業の手続きに関するまとめ

接骨院開業には多くの手続きが必要ですが、事前に計画を立て、必要な書類を整えることで、スムーズに開業することが可能です。税務や会計、法的な手続きについてもしっかり理解し、必要に応じて専門家にサポートを受けながら進めることが大切です。

 

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