接骨院は地域社会に密着し、子供からお年寄りまで幅広い年齢層が利用する施設です。一方、ビジネスとして安定して収益をあげることも必要になります。この記事では、接骨院が収益をあげるための情報についてまとめています。
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目次
接骨院が儲かる理由とは?その実態に迫る
1. 接骨院を取り巻く環境
接骨院は儲かる職業と言われますが、実際は参入者が多く、地域のお客の取り合いなどから儲かることは難しくなってきていると言われています。
厚生労働省の統計によると1990年代後半には20,000箇所程度だった施術施設が2014年には倍増し45,000件程になっており、また柔道整復師の数も29,000人程度から64,000人まで増加しています。社会の高齢化が進み接骨院の需要が増えているとも言われる昨今ですが、競合の増加によって儲かりづらい環境になってきていると言えるかもしれません。
(参照:就業柔道整復師数・施術所数 年度別推移(厚生労働省) )
2.接骨院が儲かると言われる理由
接骨院が儲かると言われる理由は何でしょうか?主に以下の2点が関係していると思われます。
国家資格が必要
接骨院の開業には柔道整復師の資格が必要です。柔道整復師の資格取得には、認定された専門学校・短大・大学のどれかで必要な科目を履修した後、国家試験に合格する必要があります。国家試験は筆記のみで行われますが、在学中は柔道制服理論や解剖学など幅広い科目を受講し実技試験の合格が必要な場合が多いと言われています。2022年の国家試験の合格率は49.6%と半分程度であることから難関資格と言えそうです。
このように養成機関の卒業や国家資格の取得など、資格取得の難易度が低くはないため、新しく参入する人も少なく、接骨院は儲かりやすいと言われているようです。
(参照:【2024年最新版】柔道整復師の合格率や難易度|柔道整復師の日本医学柔整鍼灸専門学校(東京) )
社会の高齢化
内閣府の発表によると2019年10月時点で国内の総人口に占める65歳以上の割合は28.4%となり、国民の約3人に1人が65歳以上と言われています。一般的に人間は年齢を重ねるにつれ筋肉や骨の衰えから、関節の痛みや姿勢の悪化など様々な不調を体に抱えるようになるといわれています。高齢者の人口増加につれて、様々な症状の改善やリハビリテーションなどを提供する接骨院の需要の増加が見込めそうです。
接骨院を儲かるビジネスにするための成功戦略
接骨院を儲かるビジネスにするためには、効果的な戦略が必要ですが、最も重要な点は以下の2つといえるでしょう。
- 集客
- リピート率
1.集客
ターゲット像を明確にすることが重要です。接骨院の利用者は地域によって様々です。スポーツ選手や地域の高齢者など、メインのターゲット像を明確にしたのち、必要に応じて夜間対応や土日営業を行うなどの工夫を行いましょう。また競合が増えて行く中、効果的な集客方法を実践することは非常に重要です。有効な手段としてはSNSやYoutubeの活用が挙げられます。
近年、業種に限らずYoutubeやtiktokでのコンテンツ配信や、FacebookやInstagramに広告掲載を行う会社が増えてきました。これらのプラットフォームをうまく活用し、効果的な集客を行いましょう。
具体例)
- 腰痛の改善方法やストレッチなどの動画コンテンツを作成し、Youtubeやtiktokに投稿する
- Instagramアカウントを開設し、日々の勤務の様子やキャンペーン情報などを投稿する
- オウンドメディアを立ち上げ、SEO対策を行うことで上位表示させる
2.リピート率
顧客のリピート率を上げることで、継続的な売り上げを確保することができます。リピート率向上のために必要なものを以下に2つ紹介しています。
施術に対する満足度の向上
施術に対する満足度が低い場合、リピート率の増加は見込めません。施術内容は利用者の要望や施術方針によって様々ですが、効果を実感してもらえるような施術を提供し続けることは重要です。また施術効果の再現性の向上にも努めましょう。特に複数のスタッフを抱える場合、誰が施術を提供しても同様の効果と満足度を得ることが重要です。
サービスの向上
他店との差別化を図る上で、サービスの向上も重要です。店内を清潔に保つ、丁寧な接客や親身に相談に乗るなどのサービスの向上は利用者に安心感を与え、患者との信頼関係の構築にも繋がり、長期的なリピート率の向上に大きく寄与します。
儲かる接骨院のための収益最大化方法
1.自費プランの導入
収益を最大化するためには、患者数を増やすだけでなく、患者一人当たりの単価を上げる工夫も必要です。そのための一つの方法が自費プランの導入です。
接骨院では施術によって健康保険を使用できる場合に制限があります。一般的に急性のけがや医師の同意があるものには健康保険が適用されることが多く、日常的な疲労や慢性的な症状などには健康保険が使用できない場合があります。保険が適用される施術は保険施術、適用されないものは自費プランと呼ばれます。
保険施術の内容は基本的にどこの接骨院でも大きな差はなく、競合との差別化が難しいことから多くの売り上げが見込みにくいと言われています。そのため、施術内容に制限がないため慢性的な症状などにも対応ができ、収益性の高い自費プランの導入が効果的かもしれません。自費プランには具体的に以下のようなものがあります。
- 指圧
- マッサージ
- 骨盤矯正、指圧矯正
これらの施術を導入することで、より多くの患者に幅広い施術を提供することができ、患者当たりの単価の増加に加え、満足度も上がり、収益性の向上を見込むことができます。
2.顧客管理システムの導入
効率的な顧客管理システムの導入も収益を最大化するためにはとても重要です。接骨院の経営者は施術の知識と経験は豊富でも、経営の経験が少なく、顧客管理や経営分析に苦労するケースが多くあります。顧客管理システムを導入することで患者のカルテの管理やリマインダー送信による離脱防止を自動化でき、エクセルや紙媒体を使用した場合に比べ、大幅に事務作業にかかる時間と経費を削減することができます。空いた時間と予算を患者の施術や新しい機器の導入などに使用すれば、患者の満足度・リピート率が向上し、長期的により大きな収益に繋がります。
「日計票クラウド」は接骨院向けの顧客管理システムで、簡単に経営分析や患者の離脱防止が可能です。紙の日計票を入力するだけで、自動で売上や離脱リスクを可視化し、DM機能を使ってLINEでのリマインドも可能です。クラウド型のため、どこからでもアクセスでき、操作も簡単な上、Excelやアプリのインストールも不要です。初期費用なしでご利用いただくことも可能です。
儲かる接骨院に必要なビジネスモデルの構築
最後に、接骨院が長期的に成功するためには、持続可能なビジネスモデルを構築することが必要です。これは、短期的な利益だけでなく、長期的に安定した収益を生み出すための基盤を作ることを意味します。具体的には、以下のようなビジネスモデルを考えることができます。
まず、患者との長期的な関係を重視するビジネスモデルです。患者が一度の施術で満足するだけでなく、継続的に通院したくなるようなサービスを提供することが重要です。例えば、定期的な健康チェックやメンテナンスプログラムを提供することで、患者が長期的に通院を続ける動機を作ることができます。また、患者のライフスタイルに合わせた柔軟な施術時間の設定や、個別の施術プランを提案することで、患者が自分に合ったケアを受けられる環境を整えることができます。これにより、患者は接骨院を信頼し、長期的に通院するようになります。
次に、地域の健康コミュニティとの連携を強化するビジネスモデルも考えられます。接骨院は地域密着型の施設であるため、地域社会とのつながりを深めることが重要です。地域のイベントや健康セミナーに積極的に参加し、接骨院の存在を地域住民にアピールすることで、新規患者の獲得につながります。また、地域の他の医療機関やフィットネスクラブとの連携を図ることで、患者の紹介が受けやすくなるだけでなく、患者に包括的なケアを提供することができます。
さらに、自費施術と保険施術をバランスよく組み合わせたビジネスモデルも有効です。自費施術を導入することで、患者に対してより多様なサービスを提供できるようになります。特に、リラクゼーションやパフォーマンス向上を目的としたプログラムなど、患者が健康維持や生活の質向上を求めて利用するサービスを提供することで、収益性を高めることができます。また、これにより他の接骨院との差別化が図りやすくなり、競争優位性を保つことができます。
接骨院は儲かるのかについてのまとめ
接骨院は、国家資格の取得が必要であり、高齢化社会の進展とともに需要が増え続けている一方で、競争が激しい業界でもあります。儲かる接骨院にするためには、集客やリピート率の向上、自費施術の導入、顧客管理システムの活用など、効果的な戦略とビジネスモデルの構築が重要です。地域社会との連携や患者との長期的な信頼関係を築くことで、持続可能な経営基盤を作り、収益を最大化することが可能です。長期的な視点を持ち、適切な戦略を実行することが成功の鍵となります。