接骨院の問診表の作り方|患者満足度を高めるポイントと記入例

接骨院を運営するうえで、患者の状態を正確に把握することは非常に重要です。そのために欠かせないのが「問診表」です。適切な問診表を作成することで、患者の不安を和らげ、スムーズな施術につなげることができる可能性があります。この記事では、接骨院の問診表の目的や基本構成、患者満足度を向上させるためのポイントについて詳しく解説します。

 

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接骨院の問診表とは?作成の目的と重要性を解説

接骨院の問診表は、患者の状態を正確に把握し、適切な施術を提供するための重要なツールです。作成の際には、患者が記入しやすく、必要な情報が得られる設計を意識することが大切になります。適切な問診表を活用することで、施術の質向上や患者との信頼関係構築につながる可能性があります。

1. 接骨院の問診表とは?

問診表とは、患者が施術を受ける前に記入する書類で、主に以下のような情報を含みます。

  • 基本情報(氏名・年齢・連絡先 など)
  • 現在の症状(痛みの部位・発生時期・痛みの程度 など)
  • 既往歴や生活習慣(過去のケガ・持病・運動習慣 など)
  • 施術に関する希望(重点的に見てほしい部分・不安な点 など)

2. 問診表を作成する目的

接骨院で問診表を用いる目的は大きく分けて以下の3つです。

① 患者の状態を正確に把握する

口頭のヒアリングだけでは見落としがちな情報も、問診表を活用することでより正確に把握できます。特に過去のケガや生活習慣は、施術内容を決める上で重要なポイントとなるでしょう。

② 施術の質を向上させる

事前に患者の情報を整理することで、より適切な施術を提供できます。また、経過を記録することで、次回以降の施術計画の参考にもなるかもしれません。

③ 信頼関係の構築

患者が自身の症状や悩みを詳しく伝えられる環境を作ることで、接骨院に対する安心感が生まれます。丁寧な問診を行うことは、患者の満足度向上にもつながります。

3. 問診表作成のポイント

問診表を作成する際には、以下の点を意識すると効果的です。

  • シンプルで分かりやすい設計(専門用語を避け、記入しやすいフォーマットにする)
  • 必要な情報を網羅する(施術に関係する情報を的確に収集できるようにする)
  • プライバシーへの配慮(個人情報保護の観点から適切な管理を行う)

 

接骨院の問診表に必要な項目とは?基本構成と記入例

問診表には、患者の情報を的確に記載できるよう、必要な項目を整理することが重要です。基本的な構成は以下のようになります。

1. 基本情報

患者の個人情報を記入する部分です。

項目:

  • 氏名(ふりがな):田中 太郎(たなか たろう)
  • 性別:☑ 男 ☐ 女
  • 生年月日:1990年4月10日(34歳)
  • 住所:東京都〇〇区△△1-2-3
  • 電話番号:090-1234-5678
  • 職業:会社員

2. 来院目的

受診の理由や症状について記入します。

項目:

  • 来院の目的(複数選択可):
    ☑ 急な痛み ☐ 慢性的な痛み ☐ 予防・メンテナンス ☐ その他(____)
  • いつから痛みがありますか?
    → 3日前から
  • 痛みの部位(〇をつけてください):
    □首 □肩 ☑腰 □膝 □その他(____)
  • 痛みの程度(0=痛みなし 10=耐えられない痛み):
    → 7
  • どんな動作で痛みが強くなりますか?
    → 長時間座っていると痛い

3. 既往歴・健康状態

過去の病歴や現在の健康状態を確認するための項目です。

項目:

  • 過去に大きな病気やケガをしたことがありますか?
    → いいえ / はい(腰椎ヘルニア)
  • 現在、病院で治療中の病気はありますか?
    → いいえ / はい(____)
  • 服用中の薬はありますか?
    → いいえ / はい(ロキソニン)
  • アレルギーはありますか?
    → いいえ / はい(____)

4. 生活習慣

日常生活の習慣を把握するための項目です。

項目:

  • 運動習慣はありますか?
    → 週2回ジョギング
  • 仕事の内容は?
    ☑ デスクワーク ☐ 立ち仕事 ☐ 肉体労働 ☐ その他(____)
  • 睡眠時間は平均何時間ですか?
    → 6時間

5. 施術に関する希望

患者の希望や不安を確認する項目です。

項目:

  • どのような施術を希望しますか?
    ☑ 痛みを早く取りたい ☐ ゆっくり改善したい
  • 施術について不安な点や希望があれば記入してください。
    → 強い刺激は苦手なので、ソフトな施術を希望します。

6. 保険適用の確認

接骨院では保険適用の範囲が限られるため、適用の可否を確認します。

項目:

  • 今回の痛みは、仕事中や通勤途中に発生しましたか?
    → いいえ / はい(労災・通勤災害)
  • 交通事故によるものですか?
    → いいえ / はい(加害者 / 被害者 / 同乗者)

 

接骨院の問診表を活用した患者満足度向上のポイント

問診表をただの情報収集ツールではなく、患者とのコミュニケーションツールとして活用することで、満足度向上につながるかもしれません。

1. 記入しやすい問診表を作成する

  • シンプルで分かりやすい:専門用語を避け、誰でも理解しやすい言葉を使う。
  • チェック式を活用:選択肢を設けて記入の手間を減らす。
  • 必要情報を厳選:患者が負担を感じないボリュームにする。

2. 初診時の不安を軽減する質問を入れる

  • 「施術で不安なことはありますか?」
  • 「これまでに他院での施術経験はありますか?(ある場合はその内容)」
  • 「痛み以外にお悩みのことはありますか?」
    こうした質問を入れることで、患者の気持ちを把握しやすくなります。

3. 患者の希望を把握し、施術に反映する

  • 「どのような改善を期待していますか?」(例:痛みの軽減・日常生活の支障をなくしたい など)
  • 「どのような施術を希望しますか?」(例:強めが良い・ソフトな施術が良い など)
    患者の意向を施術計画に反映することで、満足度が向上します。

4. 問診表をもとにカウンセリングを充実させる

  • 問診表の内容を参考にしながら「ここに書かれていますが、詳しく教えていただけますか?」と深掘りする。
  • 患者が本当に伝えたいことを引き出すことで、信頼関係が築ける可能性があります。

5. 再診時のフォローアップに活用する

  • 「前回の施術後、調子はいかがでしたか?」と聞き、前回の問診表と比較して改善度を確認。
  • 「施術後の効果や変化を感じましたか?」と尋ねることで、患者の声を収集しやすくなります。

6. デジタル化を活用し、記入の負担を軽減する

  • タブレットやスマホでの事前記入を導入し、待ち時間を短縮。
  • 過去の問診データを蓄積し、リピーターの情報をすぐに確認できるようにする。

7. 患者のフィードバックを取り入れる

  • 問診表の最後に「問診表の記入についてご意見があればお聞かせください」と記載し、改善点を把握。
  • 定期的に見直しを行い、より良い問診表へアップデートする。

 

接骨院の問診表を作成・改善する際の注意点と成功事例

接骨院の問診表は、患者の状態を的確に把握し、適切な施術を提供するために重要なツールです。以下に、作成・改善する際の注意点と成功事例を紹介します。

1. 問診表作成・改善の注意点

① 必要な情報を簡潔にまとめる

長すぎると患者の負担になり、逆に短すぎると情報が不足するため、適切なバランスを考慮することが重要です。

  • 必須項目
    • 氏名・年齢・性別・連絡先
    • 来院の目的(痛みの部位や症状)
    • 発症時期と原因(事故・スポーツ・日常生活など)
    • 既往歴・持病・服薬状況
    • 生活習慣(仕事・運動習慣など)
    • 施術に関する希望(痛みを軽減したい・動きを良くしたい など)

② 分かりやすい表現を使う

専門用語を避け、患者が理解しやすい表現を用いることが大切です。

  • ×「既往歴」 → ○「今までにかかった大きな病気やケガ」

また、「痛みの程度」を表す際は、下記を参考にすると患者が記入しやすくなります。

  • 視覚的に分かりやすい痛みスケール(例:1~10段階の評価)

③ 患者が記入しやすいフォーマットにする

  • チェック式を多く取り入れ、記述の負担を軽減する
  • フォントや文字サイズを大きめにして、高齢の方でも記入しやすくする
  • 余白を適度に配置し、読みやすくする

④ 個人情報の取り扱いに注意する

個人情報保護の観点から、第三者に見られないよう管理し、不要な情報は求めないことが重要です。

2. 成功事例

事例①:問診時間を短縮し、施術の質を向上

ある接骨院では、患者が来院前にスマホで入力できるように事前にWeb問診票を導入。その結果、受付での記入時間が短縮され業務の効率化を可能にしました。さらに、事前に情報を把握できるため、より適切な施術を提供できるようになりました。

事例②:痛みの見える化でカウンセリングをスムーズに

問診表に「痛みの強さ」や「症状が出る動作」を図やイラストで表す欄を追加した接骨院では、患者が説明しやすくなり、施術者とのコミュニケーションがスムーズになった事例があります。結果として、患者満足度が向上し、リピート率がアップしました。

事例③:高齢患者向けにフォーマットを改善

高齢の患者が多い接骨院では、文字サイズを大きくし、記入欄のスペースを広くすることで、記入の負担を軽減しました。また、「チェック式」を増やすことで、時間短縮につながり、受付の負担も軽減しました。

成功事例のまとめ

接骨院の問診表は、患者の負担を減らしながら、必要な情報をしっかり把握できるように工夫することが大切です。

  • 簡潔で分かりやすい表現
  • チェック式・視覚的な工夫
  •  Web問診や文字サイズの配慮

これらを意識して作成・改善することで、患者の満足度向上・業務効率化・リピート率アップにつなげましょう。

 

接骨院の問診表まとめ|効果的な活用で経営を安定させる方法

適切な問診表を作成し活用することで、患者の状態を把握し、より良い施術につなげていきましょう。問診表は一度作成すれば終わりではなく、継続的に改善しながら運用することが重要です。接骨院の経営を安定させるためにも、患者満足度を高める工夫を重ねていくことが大切かもしれません。