接骨院の自費料金相場と適正価格設定のコツ

接骨院の運営において、自費診療の料金設定は重要なポイントです。保険診療の範囲外で行われる施術料金は、接骨院の収益に大きく影響を与えるかもしれません。しかし、適正な価格設定を行わないと、患者様からの不満や競合との差別化が難しくなり、結果的に集客や収益に悪影響を及ぼす可能性があるかもしれません。この記事では、接骨院の自費診療料金相場と適正な価格設定の方法について解説し、成功事例や価格戦略についてもご紹介します。

 

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接骨院の自費診療料金相場とは?

1.自費診療の料金相場

接骨院の自費診療料金は地域や施術内容により価格は異なりますが、以下のような価格帯が一般的でしょう。

  • 骨盤矯正:3,000円〜6,000円
  • 姿勢矯正:4,000円〜8,000円
  • 筋膜リリース:5,000円〜10,000円
  • 鍼灸施術:3,000円〜8,000円
  • 美容整体:5,000円〜15,000円

2.料金に差が生じる要因

  • 地域差:都市部では家賃や人件費が高いため、一般的に自費診療の料金も高めに設定されている場合が多いかもしれません。例えば、東京や大阪などの大都市では5,000円〜8,000円が相場ですが、地方都市では3,000円〜5,000円が多いでしょう。
  • 施術者の経験と技術:施術者のキャリアや専門性によっても料金は変動します。ベテランの施術者が施術する場合や、専門的な技術を必要とする施術は高額になる傾向があります。
  • 施術時間:施術時間も料金に影響します。例えば、20〜30分の短時間施術であれば3,000円前後、60分の長時間施術であれば8,000円以上になることが一般的かもしれません。

3.よくある料金プラン

  • 初回割引:初回施術は50%オフや3,000円均一などのキャンペーン価格が設定されることが多いです。
  • パッケージプラン:3回や5回の施術をまとめて予約することで、通常よりも割引価格になるプランがよく見られます。例えば、「5回コース:通常30,000円が25,000円」など。
  • 月額定額制:月額○○円で一定回数の施術が受けられる定額プランもあります。例えば、月額15,000円で3回の施術が可能といった設定です。

接骨院で自費診療料金相場に基づいて適正に設定する方法

1.コスト分析

料金設定の第一歩は、施術にかかるコストの分析かもしれません。人件費、施術材料費、施設維持費などの固定費や変動費を考慮し、それらをカバーできるような料金を設定する必要があるかもしれません。コストの計算例として下記が挙げられます。

  • 家賃: 月20万円
  • 人件費: 月40万円(2名分)
  • 設備・材料費: 月10万円
  • その他経費: 月10万円

2.地域の市場調査

競合する接骨院の料金をリサーチし、相場を把握することが大切です。近隣の接骨院や整体院、マッサージ店などの料金を調べ、地域の価格帯と自院のポジショニングを決める基礎資料とします。地域によっては、価格を少し高めに設定することで「高品質な施術を提供する接骨院」というイメージを持ってもらうことも可能かもしれません。調査のポイントとして下記が挙げられます。

  • 初回施術料金(5,000円〜8,000円: 初めて来院する患者向けの料金。問診やカウンセリングを含む場合が多い。
  • 通常施術料金(3,000円〜6,000円: 2回目以降の標準的な施術の料金。
  • 特別施術料金(5,000円〜10,000円: 特定の症状や特別な技術を要する施術(骨盤矯正、筋膜リリースなど)の料金。

3.施術の価値と提供するサービス内容を伝える

価格を設定する際には、施術のメリットや効果をしっかりと説明し、納得感を持ってもらうことが重要かもしれません。例えば、長時間の施術や専門的な技術を提供する場合は、その価値を伝えるために具体的な説明やアピールを行いましょう。提供する施術の内容や価値に基づいて料金を設定しましょう。考慮する要素として下記が挙げられます。

  • 施術時間: 30分、45分、60分など、施術の時間に応じて料金を決定。
  • 施術の内容: 一般的な施術よりも特化した技術が必要な場合は高めに設定。
  • 患者のニーズ: 痛みの改善やリラクゼーションなど、患者が求める効果に基づいて料金設定。

接骨院自費診療料金相場を活用した成功事例とその背景

成功事例①:地域の相場を上手く活用した骨盤矯正の導入

地方の接骨院では、保険診療の収益に限界を感じ、自費診療メニューを追加することにしました。周辺の接骨院や整体院の料金相場を調査した結果、骨盤矯正の料金相場が3,000円〜6,000円であることを確認。そのため、初回3,500円、2回目以降は5,500円に設定しました。これにより、導入から3ヶ月で月間売上が20%以上増加しました。

成功の背景

  1. 地域の競合調査:周辺の接骨院や整体院の価格帯をリサーチし、標準的な価格設定を行うことで、他院と同等以上の効果が見込める施術であれば患者にとって魅力的な選択肢となりました。
  2. ターゲット層の明確化:特に産後の女性をターゲットに絞り、「産後の骨盤矯正」のキャンペーンを実施。産後の体型回復を望む女性にアピールし、ターゲット層のニーズに応えました。
  3. 初回割引と再来院の促進:初回割引で患者に施術の効果を実感してもらい、2回目以降の価格設定で利益を確保。これにより、再来院率を高めました。

成功事例②:美容整体とパッケージプランの導入で収益アップ

都市部にある接骨院では、競合が激しいエリアにあり、価格競争に巻き込まれやすい状況でした。そこで、美容意識の高い都市部の患者に向けた美容整体(小顔矯正・美脚矯正)を導入。1回8,000円の施術を、5回セットで35,000円(1回あたり7,000円)とするパッケージプランを展開し、安定した収益を確保。月間の自費診療売上が1.5倍になりました。

成功の背景

  1. 高価格帯の導入:都市部の相場が5,000円〜10,000円であることを踏まえ、あえて8,000円という高価格帯を設定。高価格=高品質のイメージを持たせることで、美容目的の患者の信頼を得ました。
  2. パッケージプランの展開:定期的に通うことで効果を高められると説明し、5回や10回のセット販売を導入。これにより、患者のリピート率が高まり、安定した収益が見込めるようになりました。
  3. SNSプロモーション:InstagramやTikTokを活用して、施術のビフォー・アフターの写真や動画を投稿。特に若年層の女性をターゲットに集客し、口コミで広がる形に。

接骨院で収益を確保するための自費診療料金相場を基にした戦略

1.ターゲット層の明確化

地域の競合や、来院する患者の年齢層・収入層を調査し、ターゲット層に合わせた料金設定が重要かもしれません。

  • 高価格帯:ラグジュアリーな空間や特別なサービスを提供する場合、高価格でも納得されやすいかもしれません。
  • 中価格帯:一般の会社員や主婦層をターゲットにする場合、5,000円前後の設定が適しているかもしれません。
  • 低価格帯:学生や若年層がターゲットの場合は、比較的安価な設定が効果的かもしれません。

2.付加価値の提供

収益を増やすためには、基本の施術にプラスして、患者のニーズに合ったサービスを提供することが有効と言えるでしょう。例えば、骨盤矯正や鍼灸、整体といったオプションメニューを追加することで、単価アップが期待できるかもしれません。以下は、人気のあるメニュー例です。

  • 骨盤矯正特に女性に人気のメニューで、産後のケアとしても需要が高いかもしれません。
  • 美容鍼美容目的での施術は、単価が高く一定の顧客層に安定した需要があるため、高い収益性が見込めるかもしれません。
  • 姿勢矯正デスクワークやスマートフォンの使用が多い現代人の悩みを解決できる施術で、広い層にアピールできるかもしれません。

3.回数券やパッケージメニューの導入

施術の継続率を高めるために、回数券コースメニューを提供すると効果的かもしれません。また、初回特典・割引も新規患者を獲得するために、初回割引や特別価格を設けるのも効果的かもしれません。

  • 5回コース:25,000円(1回あたり5,000円)
  • 10回コース:45,000円(1回あたり4,500円)
  • 初回限定:3,000円(通常6,000円)
  • 初回診断無料:カウンセリングや姿勢診断など、無料サービスを提供してハードルを下げる。

接骨院自費診療料金相場を基にした効果的な価格設定のコツ

1.施術内容に対する価値を明確にする

自費診療は、保険適用外のため、患者は施術の効果や満足度を重視する傾向があるかもしれません。価格を設定する際には、施術の特徴や効果をしっかりと説明し、価格に見合った価値を感じてもらえるようにしましょう。例えば、「この施術は、特定の症状に特化しており、短期間で効果を実感できる」などのアピールが有効かもしれません。

2.価格帯を複数用意する

患者さんの予算に合わせて、異なる価格帯のメニューを複数用意すると、幅広いニーズに対応できるかもしれません。例えば、基本コース(3,000円〜5,000円)、標準コース(6,000円〜8,000円)、プレミアムコース(10,000円以上)といった形で選択肢を提供する方法があります。

3.初回割引やパッケージプランを活用する

新規患者に対しては、初回割引やお得なパッケージプランを提供することで、気軽に試してもらえる機会を作ります。たとえば、「初回限定50%オフ」「3回セットで20%割引」などの施策は、リピート率を高める効果が期待できるかもしれません。

4.施術時間と内容に基づいた価格設定

施術時間や内容に応じて価格を設定するのも効果的かもしれません。短時間で効果が期待できる施術は比較的高単価に、長時間のリラックス系施術は少し低めに設定すると、患者のニーズに応じた選択が可能になるかもしれません。具体例として、20分の部分施術(3,000円)、40分の標準施術(5,000円)、60分の全身施術(8,000円)など、施術時間によって価格を変える方法があります。

接骨院自費料金の相場まとめ

自費診療の料金相場は、地域や施術内容により大きく異なりますが、一般的には3,000円〜10,000円程度が目安かもしれません。適正な価格設定を行うためには、コストや競合の分析、患者様への価値提供が重要と言えるでしょう。また、成功事例から学べるように、ターゲットや地域特性に合わせた料金戦略を立てることで、収益性を高めることができるかもしれません。さらに、回数券や付加価値のある施術メニューの導入などで、リピート率アップが期待できるかもしれません。適切な価格設定とマーケティング戦略を活用して、接骨院の収益向上を目指しましょう。